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若者、ゲーム、クルマ

 “若い人というのは動きのあるものに対する認識が早い”というのはいつの時代にもいわれたことだが、スピードの次元という面で最近の若い人は現在の中高年層にくらべて数段すぐれたところがある。また、狭い視野ではなく広い視野の中でパターンとしてモノを認識する能力にすぐれていると思われる。一つ一つのモノを見つめて「それが何なのか」ということを認識するよりも、全体の中の動きをとらえて個々の動きをトレースするのではなく全体の中の動きをトレースしていくというところにすぐれていると思われる。
 若者のもう一つの特徴に、簡単な操作で複雑なことができるのを好む傾向がある。インターフェースの部分はできるだけ簡単に、やってることはわりあい高度なこと、というのを好むようだ。ゲームなどでも最初のうちは上下左右に動いていただけだったが、キーの操作を細かくすると違った効果が生まれるようなものが好まれる。機械に対する考えかたが変わったのかもしれない。「複雑な動きをするためには複雑な操作を」という感覚ではなくなっている。
 これらは歩けないころからクルマに乗っているということと無関係ではないように思える。動きのある世界の中で成長していること、さらには比較的複雑な機械であるクルマがだれでも運転できるようになっていること、などの影響ではないだろうか。
 一つのことを深くやるというのがどんどん進行して行く傾向もある。本物指向というのもクルマでいえば、「伝説に残るような名車に乗りたい」というのもあるかもしれないが、むしろ本当にクルマを運転する中で自分を試してみたいと思い、運転という動き・操作の中でなにかを極めたいと思っているのではないだろうか。
 クルマの使いかたでいうと、交通手段として使う場合は別として、遊びで使うことを考えればピックアップ4WDなどが面白いと思う。いまでは渋谷の町をそれで走ってもそんなに違和感はなくなっているし、それで山や生みにそのまま行くという感覚である。一方走りに徹した“カリカリ”のクルマも増えてきている。そういう意味でなにか突出しているところがあるモノが受け入れられる時代なのかもしれない。


1987/3/20発行 トヨタ自動車広報部刊「自動車とその世界」No,222

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